パチンコで失った生活費を取り戻すべく、
本日も日雇い工場へ。
「パチンコで負けたお金はパチンコで取り返す。」
若かりし頃はよくそんな事を言っていたものだ。
現実を知るという意味でも、歳を重ねる事はまんざら悪い事ばかりでもない。
結果は変わらないが。
急に寒くなったせいか、作業場の段ボールが温く感じる。
このまま段ボールを現場に敷いて寝てしまったらラクになれるだろうか?
そんな事を考えていたら、遠くの方から、
「キムラさん、それ激熱っすね!!」
と、楽しそうに話している声が聞こえてきた。
激熱!?
ドキドキしてきた。
一体なんの話をしているのだろうか。
もしや・・・
すると続けて、
「そうなんだよ、コジマ!恐らく確定だよ!」
か、確定・・・!?
「いやー、でもキムラさんが昇格してくれたらほんと自分嬉しいっす!!」
しょしょっ、昇格!!?
「激熱」からの「確定」からの「昇格」・・・
脳内にコンチ音が響き渡る。
しかし、工場でそんなパチンコ用語が飛び交うなんて。
脳汁の我慢汁がこめかみあたりを流れていくのが分かった。
必死に抑えていた感情も、パチ用語を目の前にしてあまりにも儚い。
打ちたい。
今すぐ打って楽になりたい。
ジャグラーなら良いだろうか?
いや、だめだ。
今日働いたお金は支払いに回さないと生活が成り立たなくなる。
本日の給料は、8000円。
ならば、5000円だけなら良いだろうか?
いやだめだ。
3000円だけなら平気だろう。
工場勤務からの解放感が自制心をさらに失わせる。
いつもこんな事の繰り返しだ。
嫌になってしまう。
少しでも長く打てるよう、送迎バスを降りてすぐのパチ屋へ。
3000円しかないのにも関わらず、長く打とうとする自分の愚かさに驚く。
先の事を考えるのがパチの事に対してだけなのが、ただただ悲しい。
いざ、入店!!
確保したのはハッピージャグラー。
なんて良い名前なのだろうか。
すぐに光らせて幸せになりたい。
早速1000円を入れ、ぶん回した。
リール音とボタン停止音には、セロトニンという幸せ物質が含まれている気がする。
開発者に感謝の気持ちが止まらない。
光れ!光れ!揃え!
そんな事を願いながら、毎回チェリーを中段にビタ押し。
チェリーを否定した際は、毎回7図柄をビタ押し。
7図柄を否定した際はブドウをビタ押し。
少しでも長く打っていたかった。
気付いたら5000円が手元から消えていた。
ここで僕の脳内に浮かんだのはこの二択。
死ぬ or 全ツ
もちろん、死にたくないから打つ。
結果、
一度も光らずに8000円を失ってしまった。
なんの為に働いているのか。
なんの為に生きているのか。
自問自答した。
そうだ、僕はパチを打つ為に生きているんだ。
それならば何も間違っていない。
明日勝てばいい。
最終的に勝てばいいのだ。
パチンコ・パチスロ依存症の戦いは続く。
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きたひら (土曜日, 03 12月 2022 13:37)
5年ほど前から変わらない安定した立ち回り痺れます
まさお (水曜日, 07 12月 2022 22:07)
初めて見に来たけどオモロかった�
もぐ太郎 (金曜日, 30 12月 2022 18:40)
悲しさと怒りのW上乗せです。